【Archive】53[守]クロニクル 夜に花咲かせたサンフラワー

2024/09/21(土)19:00
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 入門して誰もが通る道、それが[守]基本コースだ。思考の型を身体に通しながら38のお題に挑戦し、未知なる世界に向かう。51期以降、17週間から15週間にスピードアップされた。計算するまでもないが1週間に2~3題、不思議なタイトルの謎めいたお題が届けられる。ドキドキとワクワクの感情が交錯しながら、何かが芽吹いていく。これは53[守]の教室に向かう18名の師範代と174名の学衆が織りなす生命の生誕物語だ。賑やかに輝く向日葵のような53[守]の成長プロセスを追っていこう。

 

 

〈小さな師範代の種が膨らみ始めた〉
 花伝所のエディットツアーに新師範代が参加。この頃は、師範代登板に向けての自主稽古の最中。まだ土の中に潜ったままの小さな種だった。

 

 新師範代たちの教室名が一挙に発表。紫色を基調に彩った松岡正剛直筆の教室名が新師範代の手に渡る。種がふっくら膨らんだ瞬間だった。 

    ▲新師範代の代表としてメッセージを送るイメージ・ダーニング教室土田実季師範代

 

 

 桜咲く4月6日は守破合同の伝習座。伝習座とは指導陣たちが世田谷豪徳寺のISIS館に集い、方法を交わし合いながら開講に向けて一座建立する場である。その中で、新教室名発表の直後から日夜編集を起こし、作成してきた教室フライヤーの発表があった。「なかなかよくできている」と松岡校長に評され、ホッと安心する師範代たち。松岡校長お墨付きの教室フライヤーがエディストでお披露目だ。みなさんはどのフライヤーに魅力を感じるだろうか?   

2)黒膜衆から見た伝習座―53[守](森本康裕記者)

3)「まなび」のゆくえ◆53[守]伝習座(山本ユキ記者)

4)「3」で編集は動きだす 〜師範2人と司会1人の用法語り〜  53[守]伝習座(山崎智章記者)

5)時を超えた足元ミーム ~ウルトラマンからヘビへ~ 53[守]伝習座 (福澤美穂子記者) 校長校話「断点から断然へ~17歳パネル使って」の映像を見ながら守破合同で交わし合う

 

 

このフライヤーを目印に、集え53[守]vol.2

このフライヤーを目印に、集え53[守]vol.3

(景山和浩記者/若林牧子記者)

 

〈編集の種を蒔き続ける〉
 2024年1月にWEEKLY OCHIAIで松岡校長と落合陽一氏が「松岡正剛の人生と編集工学」というタイトルで対談。3月には、朝日新聞の人気シリーズ「語る 人生の贈り物」に松岡校長が登場する。そんな2024年、編集学校を世に周知したいと熱望する指導陣が広報活動にも力を入れ、入念に種を蒔いていた。

 53[守]救急利休教室の清水幸江師範代はイシスのイキイキとするエディットツアーをキャッチアップした。イシス編集学校の根幹に迫る大作エディストが投函された。

 

 

【伝え方の学び方がわかる!】イシス編集学校オンライン説明会開催レポート (清水幸江記者)

 

 

〈同時に育まれる近江ARS TOKYO〉
 近江ARS TOKYOには、53守関係者の多くが駆けつけた。なんといっても53[守]阿曽祐子番匠は近江ARSのメンバーなのだ。「別様への出遊に向かえ」と53[守]へ松岡校長のエールが聞こえてくるようだ。

 

〈迎えた発芽の頃〉

 全国的に雨が降り注ぐ中、53[守]が5月13日に開講。大きな生命力を受けて、瞬く間に緑色の小さな芽が土から顔をのぞかせた瞬間だった。

  ▲エディットカフェの18教室のアイコンが勢揃い。日々の稽古がオープン。

 

 

〈ポカポカ陽気を届ける指導陣〉

 花を彩りよく満開に咲かせるために番匠・師範語りで53[守]に陽気な光を差し込んだ。

 

 

ISIS waveで書き手もうずうず――チーム渦◎座談会 vol.2

ISIS waveで渦を増やしたい――チーム渦◎座談会 vol.3
(エディストチーム渦 羽根田月香記者)

 

 

〈植物栄養剤・研究開発の日々〉

 5月15日、特別講義はこまつ座の井上麻矢さんに決定。ここからキレイな花を咲かせる特別栄養剤を開発するべく53[守]の奮闘の日々が始まったのである。

 特別講義に向けて、井上麻矢さんからは特別お題が出題された。モノローグ(独白)や自身の原風景を語ってみるというお題だ。400文字という文量にも関わらず、130のエピソードが勧学会に届けられた。お題があれば、その場にさしかかってみるというのが53[守]教室の編集の強みである。迎えた7月14日、師範代たちは特別講義が開催される本楼へ足を運ぶのだった。

 

2)見える声・聴こえる文字――53[守]特別講義オンライン模様(石井梨香記者)

3)破るためにこそ学ぶ型のちから — [53守] 井上麻矢の編集宣言(西宮・B・牧人記者)

    ▲チャーミングな笑顔で師範代と交わし合う井上麻矢さん

 

  • 7月17日

父の「思い残しきっぷ」―井上麻矢×井上ひさし×53[守]番匠(景山和浩記者)

●7月24日
新たな原風景が立ちあがる――こまつ座『母と暮せば』観劇(阿曽祐子記者)

 特別講義終了後、世界はページ教室・学衆Uから感想があがる。「学衆として学ぶ今は、習った型を日常で使いこなすなどの欲は出さずに、まずは目の前の稽古に向き合っていけば良いと再認識できました」と。井上麻矢さんは編集学校で学衆体験をしてから、その後こまつ座を運営するロールとなり、編集の型が活きていると実感したそうだ。そんな井上麻矢さんの声から聴講者の感が動いていく。「問感応答返」を通して53[守]のスペシャル栄養剤が完成されていったのだ。

 


〈熱波の2024年、細やかな水やり〉

 6月15日の本楼で開催された伝習座は、第一回番選ボードレールの〆切前日というタイトスケジュール。思考の超加速状態という場を作り出そうと仕掛けるのがイシス編集学校である。18教室から18名の学衆オブザーバーが参加したが、師範代と初めて顔を合わせる学衆も多く、刺激的な編集契機となったようだ。進塁ピーターパン教室の学衆Gからは「主題は異なっても方法でつながることができる」との感想が溢れ出てきた。

   ▲伝習座終了後、オンラインで参加の師範代は印象に残ったハサミをもってハイチーズ♪

 

 汁講が各教室で次々に開催。7月6日と13日で合せて7教室の師範代が亭主となり、学衆を本楼に招いた。中でも今回師範代として先人を切って数々のイベントをプランニングしてきた山口奈那師範代が合同汁講の様子をキャッチしてくれた。山口師範代はこれから世を担う書き手になると期待が高まる。

 

 

▲ナイーブ朋楽教室(左上)、アガサ・クリンシティ教室(右上)

 ネクスト・キャンドル教室(左下)、空耳ラブレター教室(右下)

 

            ▲頭文字A教室汁講

 

 

 

 

〈満開の花へ〉

 次なる準備が始まる。53[守]から53[破]へ進破に迷う学衆がツアーに参加した。斜格多義る教室・学衆Sは参加後「破は自由を拡張する機会になると直観的に思いました」と自由なる出遊に準備を向けているようだった。

●8月18日:物語編集術体験ツアー
【破 物語編集術体験ツアー 8/18報告】原郷からの旅立ち (原田淳子破学匠)

 

 満月が夜を照らす8月20日に激震が走る。松岡校長逝去のお知らせに一同が震えた。文字を書くことさえままならない状態が続く者もいたが、今こそ編集を止めるな、という声なき松岡校長の言葉に背中を押され、53[守]全霊、花を咲かせようとエネルギーを振り絞った。そして8月25日、129名による黄色に彩った一面の向日葵が夜空の月に向かって花開かせたのだった。

●8月25日 
【追悼】松岡校長 人も情報もひとりにしない。(鈴木康代学匠)

●8月31日
【追悼】松岡先生が亡くなった後(井上麻矢さん)

 

〈実となり、種となり、新たなステージへ〉

 感門之盟では、学ぶ側と教える側など関係なくお互い寿ぎあった。実が結ばれ、新たな種へと繋がっていくのだ。

●9月14日:第84回感門之盟

 1)言葉をはじめて覚えるような幼な心の感覚で編集を/53[守]学匠メッセージ【84感門】(細田陽子記者)

2)教室風景を重ねて贈る――53[守]先達文庫【84感門】(米田奈穂記者)

3)初師範に贈る唯一無二の書ーー53[守]玄々書【84感門】(米田奈穂記者)

4)潮目、オドリ、デコトラへ!53[破]”出世魚”教室名発表!【84感門】(米田奈穂記者)第84回感門之同 25周年番期同門祭の卒門式。師範代から学衆へ感謝の気持ちが贈られた。

 

 次なる53[破]では、どんなたくさんのわたしが実を結ぶのだろうか。明るく咲き誇る向日葵は夜の空に向かってどんな言葉を放つのだろう。

 

 

構成・文/紀平尚子

アイキャッチ/阿久津健


 

◆イシス編集学校 第54期[守]基本コース募集中!◆
稽古期間:2024年10月28日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu


◆イシス編集学校 第53期[破]応用コース募集中!◆ 
稽古期間:2024年10月14日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/ha

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